ぷるぷると腕を振るわせながらも、蓮くんのためだと思い我慢する。


蓮くんはゾクゾクしながらなぜか私を見つめる。


「桜がぷるぷるしながら僕のため尽くしてるとこ見れんの、最高……」


こんな時でさえ小声で変なことを言っている蓮くんに飽き飽きしながらも、一向に自分で力を入れてくれる気はなさそうだった。


「絆創膏持ってくるからはなしてくれる?」

「やだ」

「わがまま言わないで……!」


珍しく駄々をこねるようにムスッと頬を膨らました蓮くん。


「ふふっ、なんだか夫婦のようですね」

「え!?こ、近藤さん!?」

「はい、絆創膏をお持ちいたしました」

「あ、ありがとうございます!」



は、恥ずかしい……だけど、絆創膏持ってきてもらえてよかった。


近藤さんから絆創膏を受け取り、蓮くんの指に巻く。


どうやら怪我した指の本数は一本ではなかったらしく、3本ほど血が垂れていた。