「わ、わかったよ」

「本当?ありがとう」


さっそく着替えに部屋に戻った私。

すごい、サイズぴったりだ……っていうか……私蓮くんに服のサイズ教えたことなんてなかったよね?


それなのに、蓮くんの家に用意されてた服もぴったりだった。それに、ちょっとぶかぶかの着たいなってなった時もあったし……。


もしかして、蓮くんって本当に私の心……読めるのかな!?


よしっ、着替え終わった!


「桜〜終わった?」

「うん!」


扉の向こうから蓮くんの声がする。


「開けるね」

「はーい」


扉が開くと、蓮くんは私のことを足元から頭へと見つめる。


「……可愛い……」

「本当?」

「うん、世界一……いや、唯一可愛いよ」

「えへへ、嬉しいな」


蓮くんはどこまでいっても大袈裟だけど、私のことが好きだとわかりやすくて安心できる。


「じゃあさっそくお料理の練習しよっか」

「うん!」


厨房に入るのは初めてだ。

わくわくしながら廊下を歩き、厨房について足を踏み入れる。


「ひ、広……!」

「ふふっ、でしょ?今日は夕方にはシェフたち帰ってるから、夕食は桜の普段じゃなければ一緒に作ろう?」

「うん!」


蓮くんはとっても気がきく人だ。だからこそ、疲れていないか心配になる時はあるけれど。


「それでさ桜、夕食までは勉強しない?」

「勉強?」

「うん」

「いいよ!」

「ちゃんと甘いもの休憩もあるからね」

「うん!」


こうしてメイド服を着ながら勉強がスタートしたのだけれど……この間のように、結局蓮くんにドキドキさせられる結果となってしまった。

蓮くん、わかってて誘ったな……!


数時間勉強していたのに、頭に入ってきたのは蓮くんがずるすぎ、ぐらいだった。


そしてお待ちかねの、夕方。