家に帰ってから、夕食の後にチョコレートが待っているのにも関わらず、蓮くんに板チョコをもらっていた。

私の好きなお財布に優しくてとっても美味しいものだ。


「桜、美味しい?」

「うん!」

「僕にも食べさせて?」

「えっ?」


もぐもぐと口の中でチョコレートを噛み締めていると、蓮くんの綺麗な顔が近づいてきて私の口に蓮くんのベロが侵入してきた。


なに、これっ……。


「んっ……!」


初めての感触に少し怯えながらも、気持ちよくて不思議な気持ちになる。


「……美味しい……」

「っ……」


ほっぺが真っ赤に染まっていることを自覚しながら、目を逸らすとこっちを向いてと言わんばかりに頬を包まれてキスを落とされた。


「み、雅くんって甘いもの嫌いだったはずだけど……平気なの?」

「いや、本当はあんまり得意じゃないんだ」

「え……!!言ってよ!パフェとか、嫌じゃなかった……?」

「うん、桜と間接キスするためなら全然おいしかったよ」

「な、なにそれっ……」


喜んでいいのかだめなのかわかんないよ……!

だけど、蓮くんのふにゃっとした無防備な笑みに胸がときめく。