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「行ってきます」


返事をしてくれない


まあそれは日常だ


私、皐月美奈は幼いころから家族に虐げられている


私の家系、皐月家は能力が高いことで有名


きっと素晴らしい能力を持っているだろうと、家族は私に期待していた


しかし、私はそんな期待とは裏腹に、願ってもない能力を持ってしまった


絶対服従だ


この能力は、この世に存在する中でもトップクラス


この能力を家族に伝えたら、私は我が家のヒーローになるだろう


でも私は、この能力が嫌いだ


正直、一番欲しくなかった能力


まるで、漫画の悪役みたい


こんな能力は、誰かに使いたくない


能力なんか使わないで、言葉で、人と接したい


言葉を使って、誰かと仲良くなりたい


しかし、私が絶対服従能力を持っていると知ったら、家族は他の人に使えと言うだろう。


だから私は、能力のことを隠している


絶対に、能力があることは隠す


そう決めたんだ


まぁ、そのせいで家族からは虐げられているんだけど


毎朝誰よりも早く起きて、全員分の朝食と弁当を作って、洗濯をして


自分のご飯は、すべて残りもの


毎日のように殴られて(私の家系は能力を神から授かった力だと信じているので、殴るときに能力を使わないだけマシだが)


それでも、いい


私には、琉花ちゃんがいるんだから


そう思っていた、、、昨日までは


学校でも、エリートな家系に生まれたのに私は能力がない、と虐められていたが、そんな中でも琉花ちゃんは味方で、ずっと私と一緒にいてくれた


私は、この子なら秘密も話せると思った


私の考えを、認めてくれると思った


だけど


私は信じすぎてしまったようだ


琉花ちゃんは自分にも絶対服従を使われるのではないかと恐れ、私から離れていった


幸い、虐めている子たちには秘密を話さなかったようだが、あちら側につかれてしまった


もう、家にも、学校にも、私の味方はいない


でも、いいんだ


私は、こうなる運命だったんだ