先輩は気の抜けたようなかすれ声でそう言った
この人は、私を守ってくれるだけじゃなくて、私の心配までしてくれるんだ
なんていい人なんだろう
そして、なんて強いんだろう
「ありがとうございます」
私は先輩に身を任せ、彼の腰に手を回した
この人と一緒にいると、安心する
今日だけは、ずっとこうしていたい
私はそんな、似合わないことを思った
「美奈」
「なんですか」
先輩は、決心したように言った
「これからは、俺が美奈を守る」
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