結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました

「九条さんがチョコレートケーキを美味しそうに食べていた事を伝えたら喜んでいましたよ。それで今日、九条さんとデートする事を話したら特別に作ってくれました。九条さんをイメージして作ったそうです」

可愛らしい桜色のケーキを見て胸がキュンとする。美しくデコレーションされたケーキが私のような地味子をイメージして作ったなんて、なんともったいないお言葉なのだろうか……。

「なんか申し訳ないです。私なんてこの美しいケーキの足元にも及びませんから」
「そんな事ないですよ。九条さんはこのケーキのように可愛らしいですよ」
「やめて下さい。自分の容姿が大した事ないとわかっていますから。子供の頃から妹の姫香と比べられて来て、嫌という程わかっています。姫香は私とは違って、美人で華のある子なんです。芸能事務所からスカウトされた事がある程、綺麗なんです。学校でもいつも注目の的で」

瑠璃さんの容姿を受け継いだ姫香は平凡な顔立ちをした私と違い、美しかった。父も美しい姫香を可愛がった。私も美人な妹が誇らしかった。でも、ある日、姫香から私が姉である事が恥ずかしいと言われて、姫香とは他人のふりをするようになった。

「九条さんはご自分の事を全然わかっていませんね。あなたは美しい人ですよ。まつ毛が長い大きな目も、小さな鼻も、薔薇色の唇も僕は美しいと思います」

面と向かって美しいと褒められたのが初めてで、どんな顔をしたらいいかわからない。胸の奥から恥ずかしさがこみ上がって来て、頬に熱が集まった。