結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました

「ちょっと待って下さい! ケーキは置いて行って下さい」
「そういう訳には行きませんよ。九条さんがどんな様子で食べていたかをパティシエに伝えなければいけないので」
「つまり先生がいる所じゃないとケーキは食べられないと?」
「はい」
「適当に美味しそうに食べていたとかって言えばいいじゃないですか」
「僕は帰りますね。お疲れの所、失礼しました」

先生がまた背を向ける。
桜のケーキが逃げて行く!

「待って下さい! わかりました。良かったら部屋にあがって行って下さい」
「いいんですか」

わざとらしいテンションで先生が言う。

「散らかっていますけど、どうぞ」

先生を部屋に上げるのはケーキの為だ。別に先生と一緒にいたい訳じゃない。ケーキを食べたらすぐに帰って頂こう。