結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました

「お昼ご飯持って来たよ」

洸太さんが持って来たトレーの上には美味しそうなオムライスが二つ並んでいた。お菓子教室が終わったあと、食べたいとリクエストしていた。舞子が洸太さんと交際する切っ掛けになったのは、白ねこカフェの看板メニュー、洸太さん特製ふわふわオムライスだった。

白ねこカフェは通っていた大学がある最寄駅の反対口にあり、学生の頃、舞子に連れられて白ねこカフェにランチを食べに来た。舞子も私もふわふわオムライスがその頃から好きだった。自然と舞子と洸太さんの仲は深まり、卒業と同時に舞子は5歳年上の洸太さんと結婚という事になった。

――『白ねこカフェ』に永久就職しちゃった。

舞子にそう言われた時は死ぬ程驚いた。でも、結婚後も仲睦まじい洸太さんと舞子の姿を見て良かったなと思う。

私も誰かと幸せな家庭を築く事があるんだろうかと思った時、北沢先生の顔が浮かんで、全力で先生の顔を打ち消した。

先生と結婚なんてありえないのに……。

――九条さんが承諾してくれるまでプロポーズしますから。

先生は一方的過ぎる。
なんで私にプロポーズをするのよ。