結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました

「私でいいんですか? 私、素直じゃないし」
「桜子がいいんです。まさかこの期に及んで断わりませんよね?」
「えーと、あの、私と結婚すると苦労しますよ。家族が極悪人ばかりですから」
「それは僕もあまり変わりませんが、桜子には近づけませんので、心配しないで下さい」
「あの、北沢不動産の役員を辞めたのは本当ですか?」
「辞めました。無事に西園寺詩織さんとの婚約も解消できました。今頃、ニュースになっていると思います」
「先生、本当にいいんですか? 北沢不動産を辞めたらお金に困るのでは?」
「大丈夫です。桜子に養ってもらいますから」

私が先生を養うの? 
じゃあ、先生が家事をしてくれるのかな。先生の手料理が食べられるならいいな。

「冗談ですよ」

一人、想像を巡らせていると先生が少し焦ったように言った。

「冗談だったんですか」
「桜子に贅沢な暮らしをさせるぐらいのお金はあります。銀行員の目で僕の資産をチェックして下さい」

先生が指輪を持っていない方の手でスマートフォンを取り出し、私に資産状況がわかる画面を見せた。

パッと見ただけで、いくらあるかわかってしまうのは、銀行で鍛えられたおかげだ。先生の資産はかなりあった。確かに贅沢な暮らしは出来るだろう。

まさか先生の経済状況まで教えてもらえるとは思わなかった。