結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました

「りっちゃん！　結婚おめでとう！」

先生が親しそうな笑みを花嫁に向けた。
目鼻立ちのハッキリとした可愛らしい顔をした人だった。
彼女が妹のような存在の人か。私より年上かな。

「忙しいのに来てくれてありがとう」

花嫁さんが嬉しそうな笑顔を先生に向けた。

「そちらが、海くんの婚約者さん？」

花嫁さんと目が合う。

「ご結婚おめでとうございます。九条桜子です。北沢先生の元教え子でして」

思わず元教え子だと言ってしまったけど、余計だったかな。
花嫁さんが私を見て、なぜか嬉しそうに微笑んだ。

「あなたが、九条さん！」
感激したようにいきなり手を掴まれてびっくりした。

「今日は来て下さって本当にありがとう。海くんから九条さんの話、聞いてます」

えっ。先生、私の話をこの人にしたの？　なんで？