由梨花さんが亡くなったのは先生が博士課程で大学院にいた時だったらしい。先生は由梨花さんを亡くしてから、人前で喜怒哀楽を見せる事なく、由梨花さんを忘れるように研究に没頭するようになったと聞いて驚いた。
無表情な先生なんて想像できない。先生はいつも私を小馬鹿にしたような表情を浮かべるし、笑ったり、怒ったりする。どちらかと言うと表情豊かだ。
「海君が笑えるようになったのは九条さんと出会ったからなのよ」
えっ。私?
「私が先生に影響を及ぼすなんてありえないと思うのですが。もしや人違いをされているのでは?」
「そんな事ないわよ。海君、大学で面白い子に会ったって、いつもあなたの話を私にしてたのよ」
「……面白い子ですか」
「他の学生さんと違って、九条さんはいつも冷たい目で海君を見ていたんでしょ?」
確かに先生をそういう目で見ていたかもしれない。でも、それは先生を嫌いだったからではなく、近づいてはいけないと思ったからだ。
「九条さんに嫌悪の目で見られるって嬉しそうに海君言ってた。それが堪らなかったんだって。ほら、海君ってちょっとマゾだから」
シリアスな話をしていたはずなのに、何だか変な話になって来た。
無表情な先生なんて想像できない。先生はいつも私を小馬鹿にしたような表情を浮かべるし、笑ったり、怒ったりする。どちらかと言うと表情豊かだ。
「海君が笑えるようになったのは九条さんと出会ったからなのよ」
えっ。私?
「私が先生に影響を及ぼすなんてありえないと思うのですが。もしや人違いをされているのでは?」
「そんな事ないわよ。海君、大学で面白い子に会ったって、いつもあなたの話を私にしてたのよ」
「……面白い子ですか」
「他の学生さんと違って、九条さんはいつも冷たい目で海君を見ていたんでしょ?」
確かに先生をそういう目で見ていたかもしれない。でも、それは先生を嫌いだったからではなく、近づいてはいけないと思ったからだ。
「九条さんに嫌悪の目で見られるって嬉しそうに海君言ってた。それが堪らなかったんだって。ほら、海君ってちょっとマゾだから」
シリアスな話をしていたはずなのに、何だか変な話になって来た。



