結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました

火曜日は朝から憂鬱だった。
南係長と顔を合わせるのが気まずいと思っていたら、南係長の方から「おはよう」と声をかけてくれた。いつもと変わらない上司の顔をしていた。私が気まずくならないようにしてくれているのかもしれない。仕事中も特別親し気な様子はなく、私との距離を保ってくれてありがたかった。

今日も午前中は事務仕事をして、午後からは窓口の対応をしていた。午後2時を過ぎ、窓口営業もそろそろ終わるとほっと息をついた時、葉月さんが現れた。

「昨日は本当にごめんなさい」

私の顔を見て、申し訳なさそうに葉月さんが謝る。

「いえ。私の方こそお時間を作って欲しいとお願いしたのに、帰ってしまい申し訳なかったです」
「住宅ローン、三友銀行さんでお世話になろうと思うの。審査の手続きをお願いしてもいいかしら」
「かしこまりました」

葉月さんは窓口最後のお客様だった。
手続きの後、葉月さんに何時に終わるか聞かれて、定時で上がる事を答えた。

話したい事があると言われて、仕事の後、葉月さんと会う約束をした。
場所はスーパーの隣にあるコーヒーショップを指定させてもらった。

銀行からもそう遠くないし、ここなら西園寺詩織さんと会う事はないだろう。