結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました

顔を上げると、目の前にピンクのガーベラの花束が差し出された。

「この間、飲み会で泣かせてしまったお詫びと、今日、待たせてしまったお詫びです。受け取ってくれると嬉しいな」

照れくさそうに私に花束を差し出す南係長を見て、涙腺が緩んだ。
受け取った花束を胸に抱きながら涙が落ちる。

「えっ! 九条さん! もしかして花束とかダメだった?」

慌てる南係長に首を左右に振る。

「……嬉しいです。とっても嬉しいです。ありがとうございます」

こんな私に花束をくれる人がいると思ったら、それだけでありがたい。

「九条さん……」
「すみません。なんか、驚いちゃって」

えへへと笑って、テーブルの上の紙ナプキンで涙を拭った。

「こんなに可愛い花束をありがとうございます」
「九条さんはピンクが似合うと思ったんです。桜子さんだから」

照れくさそうに微笑む南係長を見て、いい人だと思った。

「ねえ、九条さん」

向かい側に座った南係長が急に真剣な表情になる。

「はい」
「僕と結婚を前提にお付き合いをしてくれませんか?」

えっ……。