結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました

ラウンジを出た後は南係長と約束したコーヒーショップに向かった。
スーパーの隣にあるコーヒーショップを見て、何だかほっとした。VIP専用のラウンジよりも私には気軽なコーヒーショップが合っている。

今日はコーヒーではなくココアを買って、2階の窓際の席に行った。
南係長はまだ来ていなかった。銀行を出る時、7時半には行くと言われた。私も葉月さんと約束があったから、少し遅れるかもしれないと南係長に伝えてあった。

甘いホットココアを飲みながら、気持ちを落ち着ける。
スマートフォンを見ると、葉月さんからメッセージが入っていた。

『九条さん、西園寺詩織さんが来ているとは思わなかったの。ごめんなさい』

ラウンジの人に急用が出来たから帰る事を葉月さんに伝えて欲しいと頼んであった。葉月さん、私が何で帰ったか気づいたんだ。

『こちらこそすみません。急用ができてしまって』

そう返信した。西園寺詩織さんの事には触れられなかった。
幸せそうに微笑む彼女の横顔を思い出して胸が張り裂けそうになる。

先生の隣には西園寺詩織さんのような女性がいなきゃダメだ。
私は全然、先生に似合わない。

学生の頃からわかっていたじゃない。
綺麗な女性たちに囲まれていた先生を見て、私は相応しくないと思ったんだ。

胸が苦しい。
誰か助けて……。

そう思った時、「九条さん」と声をかけられた。