ぽろん、音がひとつ鳴れば、私の指は踊るように動き出す。
昔この曲を覚えた時は次の音を弾こうと必死だったのに、今では指が勝手に動き出していく。
この音は翔ちゃんに届いているかな。
聞いてくれてるかな。
おめでとう、翔ちゃん。さすがエースだね。
そんな想いを込めて、私は気が済むまで曲を弾き続けた。
「みぃーー!!!!」
「うぶっ…!」
凛と校舎を出た瞬間、急に目の前が暗くなった。
汗と石鹸の匂いと一緒にむぎゅっと圧迫してくるのは、筋肉質な身体。
くっ、苦しい…。
「ちょっと翔太郎!美音が潰れるでしょ!?」
「うわっ!?ごめん!!」
「何やってんだよ翔太郎」
慌てて離れてくれたものの、一斉にブーイングされた翔ちゃんはしょぼんとして、私の顔を覗き込んできた。
「ごめん、みぃ…」
「ううん、大丈夫だから気にしないで。そんなことよりおめでとう、翔ちゃん」
そう言えばぱあっと笑顔になって、またぎゅ、と抱きしめてきた。
今度は力強いけど優しく加減してくれてるのがわかる。
「なあ俺カッコよかった?1番だった?」
「うん、とってもカッコよかったよ!最後のやつなんか、びっくりしちゃった」
笑顔で返すと「よっしゃあ!」と元気にガッツポーズ。
ふふっ、かわいい。
なんかこう…試合中も元気なんだけど、あっちはかっこいい感じで、いつもは可愛いんだよなあ。
無意識に頭を撫でるとくすぐったそうにしながらもすり寄ってくる。それがまた可愛くって、さらに撫で続けた。
昔この曲を覚えた時は次の音を弾こうと必死だったのに、今では指が勝手に動き出していく。
この音は翔ちゃんに届いているかな。
聞いてくれてるかな。
おめでとう、翔ちゃん。さすがエースだね。
そんな想いを込めて、私は気が済むまで曲を弾き続けた。
「みぃーー!!!!」
「うぶっ…!」
凛と校舎を出た瞬間、急に目の前が暗くなった。
汗と石鹸の匂いと一緒にむぎゅっと圧迫してくるのは、筋肉質な身体。
くっ、苦しい…。
「ちょっと翔太郎!美音が潰れるでしょ!?」
「うわっ!?ごめん!!」
「何やってんだよ翔太郎」
慌てて離れてくれたものの、一斉にブーイングされた翔ちゃんはしょぼんとして、私の顔を覗き込んできた。
「ごめん、みぃ…」
「ううん、大丈夫だから気にしないで。そんなことよりおめでとう、翔ちゃん」
そう言えばぱあっと笑顔になって、またぎゅ、と抱きしめてきた。
今度は力強いけど優しく加減してくれてるのがわかる。
「なあ俺カッコよかった?1番だった?」
「うん、とってもカッコよかったよ!最後のやつなんか、びっくりしちゃった」
笑顔で返すと「よっしゃあ!」と元気にガッツポーズ。
ふふっ、かわいい。
なんかこう…試合中も元気なんだけど、あっちはかっこいい感じで、いつもは可愛いんだよなあ。
無意識に頭を撫でるとくすぐったそうにしながらもすり寄ってくる。それがまた可愛くって、さらに撫で続けた。

