ストレートすぎる幼馴染に翻弄されてます

子供の頃から家族ぐるみの付き合いだから、翔ちゃんと花江さんも仲がいい。

花江さんが上げたのかなと思っていたけど、どうやら一人で入ってきたみたい。

花江さんはちょっと買い物に行ってきますね、とそのまま出て行ってしまった。


「言ってくれたら玄関まで迎えに行ったのに」

「だってみぃ、火とか包丁とか使うじゃん。俺が声かけて邪魔したら危ないと思って」


ちゃんと包丁置いてるの見てから声かけたんだよ、となんてことないように言う翔ちゃん。

そんな細かいことまで気を配ってもらってたことを知って、嬉しくなった。


「ありがとう。はい、食べよっか」

「!うん!」



「「いただきます」」

ぱくっと大きな口で頬張る翔ちゃん。美味しそうな顔で食べてくれるから作り甲斐がある。

「やっぱうまいなぁ、みぃの料理!世界一!」

「ふふっ、嬉しいけど大袈裟だよ。それに紅葉さんのご飯の方が美味しいよ」

「んー、確かに母ちゃんのもうまいけど、やっぱみぃのが食べたい!」

ニカッと笑ってまたオムライスを頬張り始める翔ちゃんに、私も笑みが溢れた。

「あ、みぃ」

「ん?って、早!?」

声をかけられて顔を上げると、翔ちゃんのオムライスは綺麗に食べられていた。
もう無い!食べるの早過ぎない!?
私も早く食べなくちゃ。


「ふつーじゃねえ?っと、じゃなくて」


不意に、翔ちゃんが腕を伸ばしてきた。え、と声を漏らすも、翔ちゃんは真剣な顔をしたまま手を止めない。

大きな手が、目の前にくる。
思わずギュッ、と目を瞑ると。