キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

「ん? 何や?」

「……服、掴んでていい?」

 いくら明暮君が背が高いからって、はぐれないわけじゃないと思う。

 もうすぐ映画も始まるし、こんなところではぐれたくない。

 ちょこんと明暮君の服の袖を掴んで、恐る恐る尋ねてみる。

 だ、ダメって言われたらどうしようっ……。

「なら、こっちのほうがええんちゃう?」

「っ、へ……。」

 内心怯えていた私に降ってきた、ちょっとだけぶっきらぼうな言葉と声。

 それと同時に、服を掴んでいた私の手がふわりと持ち上げられ。

「あ、明暮君……?」

「このほうがはぐれんやろ。」

「う……たし、かに……。」

 明暮君の大きな手が私の手に重ねられ、ぎゅっと握られた。

 私よりも倍大きい手で、びくっと驚かずにはいられない。

 でも握られた力はとびきり優しくて、包み込まれるような安心感があった。

 明暮君の言う通り、こっちのほうがはぐれないとは思う。

 ……け、けども……恥ずかしさが拭えない……。

 男の子とデートした事も、こんな至近距離でいるのも初めてだからドキドキせずにはいられない。