キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 ぎゅーっと、心臓が苦しいくらいに締め付けられる。

 けど痛くなくて、むしろ心地よくて……ふわふわな気持ちになっていく。

「……わか、った。ありがとう。」

 そう伝えるのが精一杯で、手に力がこもる。

 だけど明暮君は相変わらず軽く微笑んでいて、他の言葉が出なかった。



「……結構混んでるね。」

「そうやな。まぁ休日やし、しゃーないな。」

 目的の映画館に着いた時の第一声は、それだった。

 映画館なんて久しぶりに来たからこんなに広かったっけと一瞬思ってしまったけど、それ以上に人が多くてびっくりしてしまった。

 明暮君の言う通り休日だからかもしれないけど、それにしては混んでる気が……。

 なんて思っていたら、誰かとドンッとぶつかってしまった。

「あっ、ごめんなさいっ!」

「いえ、気にしないでください。こちらこそすみません。」

 混んでいるとそれなりに人との距離が近いし、こういう事ももちろんあり得る。

 だから、ちょっぴり心配な事があった。

「あ、明暮君……」