キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 ガタンゴトン、ガタンゴトン……

 時折大きく揺れる地下鉄に乗っている私は、お隣に座る彼にもう一度謝った。

「ごめんなさい、明暮君。」

「それもう4回は聞いてる。……そんな謝らんといて、そもそも怒ってへんし。」

「いやでも申し訳なさが凄い事になってるから……。」

 あの後、急いで家を出た私。焦って飛び出したから財布を忘れるわ、道間違えるわで大幅に待ち時間に遅れてしまったんだ。

 乗る予定だった地下鉄よりも15分遅い地下鉄に乗る事になってしまい、私は明暮君に謝る他ない。

 明暮君は本当に怒ってなさそう……。けど、本当に申し訳ない。

「時間とか、大丈夫なのかな。映画だし遅れちゃダメだよね。」

「心配せんでええよ。映画までは時間あるし、どうせ元々映画見る前にぶらぶら散歩する予定やったから。」

「そう……? それならいいんだけど……。」

「そ。やからそんな暗い顔せんで、今日は楽しもーや。」

 私の呟きを拾った明暮君は、柔らかく微笑んで優しい眼差しを向けてくれる。

 ……優しすぎだよ、明暮君。甘えちゃいそうになるよ、私。