ふぁ……と、欠伸が洩れた。

 スマホで時間を確認すると、もう18時前。

 そろそろ帰らなきゃなぁ……。思ったより長居してしまって、申し訳なさが募ってきた。

 今は来歌君と一緒にデートプランを確認をし終わったところで、ほっと息を吐きながら空を仰いでいる。

 明暮君は……ずーっと難しそうな本を読んでいて、見ているこっちが頭痛くなりそう。

 あんなに分厚い本初めて見た……。

 伝記っぽいものなのか、図鑑なのか、フィクションなのかは分からない。けどどっちにしても難しい本だって事だけは理解できた。

 その時に18時を知らせる時計の音が響いて、いいタイミングだとその場から立ち上がった。

「私、そろそろ帰ろうかな。結構居座っちゃったし、外暗くなってきちゃってるし。」

 真っ暗になっちゃったら怖いし、早めに帰らなきゃ。

 ひざ掛けがわりにしていたカーディガンを羽織って、リュックを背負う。

「送るわ。」

 身支度を済ませ、スマホをポケットに入れた瞬間そんな声が聞こえた。

 見ると明暮君が分厚い本をベッドに置いて、立ち上がっているではないですか。