でもそれじゃあ納得がいかないらしい来歌君は、鬱陶しそうな目を明暮君に向けた。

「兄貴のことは参考にしたない。そもそも兄貴もこういう事には疎いし、俺は女子からの意見が聞きたいんや。」

 な、なるほど……?

 プライドがあるんだろうか、と思いつつもとりあえず頷く。

 明暮君は来歌君に一瞬だけ鋭い視線を向けたけど、すぐに伏せた。

 何か言いたげ……みたい。だけど言わないって事は、明暮君も明暮君なりのプライドがあるって事……かな。

 一人でそんな予測を立て、そういう事ならと来歌君にスマホの画面を見せた。

「来歌君は身長高めだからシンプルイズベストだと思うんだけど……こんな感じのコーデも似合うんじゃない?」