キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

「……。」

「む、無視してるつもりじゃなかったんだよっ! 本当に考え込んじゃってて、声が聞こえなかったって感じで……。」

 必死にあれやこれやと弁明する私は、さぞ滑稽だろう。

 でも私はいたって真剣で、言い訳に聞こえるかもと思いながらも言葉を紡ぐ。

 明暮君は勝手にあたふたとする私に視線を落とすと、ぷっと吹き出した。

「はは、自分やっぱおもろいわぁ。そんな慌てんでも分かっとるよ、自分に悪気がないって事は。」

「わ、笑わなくても……! こっちは真剣なんだからね!」

「その真剣さは来歌にもの教える時に使いーや。」

「あ、ちょっと待ってよーっ!」

 ひとしきり笑った様子の明暮君がさぞ普通かのように歩いていくのを見て、びっくりして慌てて追いかける。

 お、置いてくなんて酷くないですか明暮君……っ!

 心の中で抗議しながら、歩幅が大きい彼に追いつくように足早についていく。

 隣に立てた頃には既にちょっぴり息が上がっていて、むっとした顔で明暮君に言ってやった。

「明暮君は女心というものを理解していないと思う。勉強したほうがいいと思う。」