キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 みんなはその事を疑問に思わないっぽいけど……私はどうしても、気になってしまう。

 日明財閥の素性を知らずに崇めるなんて器用な事、できそうにないから。

「……かちゃん。」

 大体何で顔を明かしたがらないんだろう。この街のトップなんだったら、顔を明かすのが普通じゃないのかな? 市長だって顔とフルネーム出してるのに。

「……すず、ちゃん。」

 やっぱりヤバい事してるから、顔とか明かしたら背中から刺されちゃうのかな……。

 そ、そう考えたらこっちが怖くなってきた……やめよう、考えるの。

「鈴賀ちゃん。」

「っ、ひゃい!?」

 いきなり背後から肩を叩かれ、反射的に素っ頓狂な声が出た。

 急いで振り返ってみると、困った様子の明暮君が立っており腕を組んでいるではないか。

 ま、まさか私……無視、しちゃってた?

 確かにさっきからやけに声聞こえるなーとは思ってたけど、明暮君が呼んでくれていただなんて。

 と、とんだ無礼を働いてしまった……!

「ご、ごご、ごめんね明暮君! ちょっと考え事してたっていうか、なんていうか……。」