キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 返事、来るかな……なんて期待していると、大きな背中が動いたのが分かった。

「……おはよ。」

 スクールバッグを置いたと同時に言われた、そんな短い挨拶。

 それだけのものだったのに、私にとっては嬉しくて口角がゆるゆるになってしまった。

 あっ、そういえば忘れない内に……。

「き、昨日カーディガン貸してくれてありがとうっ。おかげでぽかぽかで帰れたよ!」

 持ってきた紙袋を明暮君に差し出して、にっと笑ってみせる。

 今は私たち以外誰もいない。だったら今渡すしかないだろう。

 昨晩からそう決めていた私はできるだけ元気な声で、明暮君の目をまっすぐ見た。

 そうしていると明暮君は無表情のまま、紙袋を受け取った。

「わざわざ洗濯したんか。そんなん気にせんでもええのに。」

「私が気にするからダメ! それにもし汚しちゃってたら申し訳ないから……ね?」

「……まぁ、自分がええって言うなら俺は何も言えへんけど。」

 中身を確認した明暮君に、ほっと一息吐く。

 良かった、ちゃんと渡せて。