キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

「寒いやろ自分。これ着とき。」

 え……?

 ふわり、肩にかけられたのはほのかにシトラスの香りがくすぐるカーディガン。

 驚いて顔を上げると、いつも無表情の明暮君が……心配そうに不安の影を落としていた。

 あからさまに眉の端が下がっていて、ドキンと心臓が跳ねる。

 ……なん、だろ。この、ちょっぴり恥ずかしい気持ち……。

「んじゃ、俺らも帰るわ。……またな。」

「あ、うん……っ。また、明日っ……!」

 ひ、ひぇぇっ……。

 明暮君のカーディガンの袖に触れながら、自分の顔の熱さを痛感する。

 し、紳士だ明暮君……っ!

 絶対気付かれてないって思ってたのに、まさか気付いてカーデまで貸してくれて。

「凄く良い人だ、明暮君……。」



 翌日、やけに早く目が覚めた私は、ハンガーにかけていた明暮君のカーディガンを慎重に畳んでいた。

 うん、ちゃんと乾いてる。まぁ乾燥かけたから当たり前なんだけど……。

 昨日使ってしまったから丁寧に洗濯してあるのを確認して、形が崩れないように紙袋に入れる。