キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

「なわけないやろクソ兄貴。こいつが勝手に家に連れて行ったんや!」

「自分、来歌と今まで何してたんや……?」

 さっぱり分からないとでも言いたげな明暮君に、そうだよなぁと同情してしまう。

 頭上にはてなマークを浮かべている明暮君は、月明かりと街灯に照らされてミステリアスな雰囲気を漂わせている。

 まぁ……私が明暮君の立場でもこんな反応しちゃうし、不安になるのも無理はない。

 とりあえず、経緯を説明しないと!

「じ、実は、かくかくしかじかあって……」

 明暮君をこれ以上混乱させないように、できるだけ簡潔に言葉を選んで説明する。

 正直、明暮君に締められると思っていた。

 来歌君のことを迎えに来てくれるって事は、それだけ来歌君のことを大事に思っているという事。

 明暮君の大事な来歌君をこんな時間まで引き留めてしまったから、一応ぶん殴られる覚悟はできていた。

 ……んだけど、実際に殴られたのは来歌君のほうだった。

 それでもまだ軽そうな小突きで、来歌君は不貞腐れたように唇を尖らせる。