ひゅーっと風が吹いてきて、ビクッと肩を跳ねさせる私。

 隣の極めて涼しい顔をしている来歌君を見ると、ちょっと恨めしくなってしまう。

 いいなぁ、来歌君……あったかそうで。

 樫奈中の冬服は温かい素材で作られていて、雪が降っててもギリ耐えられるくらい。

 一方私はちょっとだけ厚めのニットとロングスカート、クロックスというなんとも寒い格好。

 うー、お昼の残暑はどこいったぁ……。

 両手を擦り合わせ、はーっと息をかける。

「……ここまででええわ。」

 少しだけ温かくなった気がする手から視線を外し、来歌君を見上げる。

 いつの間にか公園付近に着いていたようで、私はにっこりと笑顔を浮かべた。

「もう体調は大丈夫?」

「おかげさまで。」

「私、結凛ちゃんとのこと応援してるからねっ! あっ、だったら連絡先教えとくよ。そうしたらいつでもアドバイスできるでしょ?」

「いや、そんなん……、頼むわ。」

「よしきた!」

 ポケットからスマホを取り出し、来歌君と連絡先を交換する。それほどまでに結凛ちゃんとお近付きになりたいのか。