キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 でも、ここにずっといるわけにもいかない。

 ……こういう時、明暮君みたいな力があれば。

 叶わない願いだとは思うも、彼の腕を自分の肩に回す。

 男の子だからやっぱり体が大きくて、めちゃくちゃ頑張らなきゃ移動できない。

「ごめんね、ちょっと移動するよ。」

 聞こえるかどうか分からないけど、一応そう断っておく。

 誰かを抱えるなんて初めてで、私自身どうすればいいのか分からない。

 それでもこの子を放っておいたら、最悪死んじゃうかもしれない。

 絶対にそれは避けたくて、今ある力を振り絞るようにぐっと彼の体を支えた。



 はぁ、は……ぁ……っ。

 歩く事20分。なんとか自分のマンションに着く事ができ、心の底からほっと安堵した。

 肩で大きな息をしてから家の鍵を開け、転がるように入り込む。

 もう力が入りそうにない……って思いながらも、残っているわずかな力を使ってソファに寝かせた。

「つ、疲れたぁ……。」

 クーラーの電源を入れ、シャツの第1ボタンを外す。

 そうすると少しは冷気が肌に当たり、体の芯から生き返る心地がした。