初めて自分から、男の子の手を握った。

 だけどそんな事も気にしないまま、明暮君の良さを熱弁する。

 明暮君は噂みたいな人じゃない。人の心がないなんて事はない。

 ……少なくとも、私にとっては。

「明暮君は素敵な人! 私が言うんだから間違いないっ!」

 私の気持ちが伝わるように、きちんと目を見て伝える。

 伝わるかどうかなんて分からないけど、伝わるように信じて。

「……っ、はは。何なん自分、どっから来てんのその自信は。」

 わ、笑われたっ……。

 どうやらツボにハマったらしく、いつもは絶対表情筋を動かさない明暮君が笑った。

 その笑顔は思いっきりのようで、明暮君の素が出ているようなもので。

 ……ちょっと、顔熱い?

 初めて見た明暮君の笑顔は、圧倒されるほど眩しかった。