「……! おいそこぉっ!! 何しようとしてる!!」

 やばいバレた……っ!

 案外強かったロープに苦戦しているところをちょうど目撃され、座っていた肝が一気に冷える。

 あぁ、今度こそダメかも……。

 こんなにガタイのよさそうな男性だったら、私一人をけちょんけちょんにするくらい簡単だろうな……。

 と、半ば諦めていたところ。

「なぁ、自分ら。……誰の女に手ぇ出してんと思てんの?」

 凛とした、存在感を放ちすぎる関西弁が聞こえてきたのだ。

 反射的に視線を移すと、そこには見知った顔が。

 そんな彼は胸元からあるものを取り出すと、嘲笑うような表情を浮かべた。

「こーこ、日明財閥の倉庫なんやけど。あんさん、何勝手にやってくれとるん?」

 ……やっぱり、罰が当たったんだろうか。

 日明の人なんかいない、何にも知らない人のことを崇めてどうする。

 そんな事ばっかり言ってたから、神様が罰を与えたんだろう。

 それでも、どうして、よりによって。

「助けに来ったで、俺の未来の嫁さん。」

 ……――冷徹で毒舌で危なそーな関西男子に魅入られるんですか!