キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 はぁ……こーゆー時、柚守君がいてくれたらなぁ。

 柚守君は力持ちだし、いとこだから気兼ねなく頼れる。

 そんな事言ったって仕方ないのは分かってるけど……。

「うー、おも……。」

 泣き言が無意識に零れ、続けてうへーと言っちゃいそうになる。

 ……一旦、持ち直そうかな。

 なんて考えついて、よっこいせと体制を整えた瞬間。

「っ、へっ?」

 ひょい、と重さが一気になくなった。

 な、何で……!?

 疑問に思ったのも束の間、左隣を見て「うぇっ?」と素っ頓狂な声が洩れる。

 だってそこには、予想だにしていなかった人がいたから。

「あ、明暮君? あの、どうして持って……?」

「……。」

「え、ちょっと……っ!?」

 私の問いかけに一切反応せず、スタスタと迷いなく歩いていく明暮君。

 制止の声も聞いてくれない彼に急いでついていき、疑問を繰り返す。

「ねぇ、何で持ってくれてるの? これ私の仕事なんだから、気にしなくていいのに……。」

「……。」

「あ、もしかして私からその資料奪おうとしてる……!? な、なーんて。」