キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

「こき使われたというか……時間ギリギリまで返してくれなかったんだよ~!」

「あはは、ほーんと夜優は那奈に気に入られてんねー。」

「そうなのかなぁ……。」

 結局私が教室に帰ってこれたのは、ホームルームが始まる1分前。

 那奈があーだこーだ話してくるせいで遅くなっちゃったよ……もう。

 余裕持って帰して欲しかったな、なんてどうしても思ってしまう。

 クラスメイトと他愛ない言葉を交わしてから、軽い息を吐いて自分の席に座る。

 みんなもそろそろ予鈴が鳴る時間だから、ぽつぽつと自席に戻っていく。

 ……だけど相も変わらず明暮君は一人の世界に没頭しているようで、ずーっと窓の外を眺めている。

 長い脚は席に入りきらなさそうで、大層窮屈そうにしている。

「おーい席つけよー。出席取るぞー。」

 ボーン、ボーン……といった重たい予鈴が学校中に響き渡ったと同時に、担任の先生が大股で教室に入ってきた。

 使い古された出席簿をちょっぴり雑に教卓に投げ、ボールペンで何やら書き込んでいく。