キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 だって柚守君は、こんなに怖くない。強い語気で言葉も言わない。

 柚守君が、柚守君じゃない……。

「や、やだ……。」

「……どうして?」

「っ、今の柚守君とは……一緒に、いたくないっ……!」

 か細い声の拒否から、語尾が強くなる拒否に変わる。

 柚守君から距離を取らなきゃって考えでいっぱいいっぱいで、落ち着いてられなくなって。

 逃げられないって本能が分かっているはずなのに、一歩後ずさった刹那。

「そっか、それじゃもう……仕方ないね。」

「へぁっ……!?」

 ふっと柚守君の、今まで見た事もなかったかのような不敵な笑みが見えた。

 それと同時に抵抗虚しく腕を引かれ、保健室に隣接している空き部屋に連れ込まれる。

 な、何が起こって……っ!?

 そこにある予備のベッドに投げられるように押し倒され、完全に逃げられなくなってしまった。

 視界いっぱいに、私に覆い被さっている余裕のない柚守君がいる。

 現状が全く分かっていない私は、柚守君にできる限りの抵抗を試みた。

「は、離してっ……! 痛いよ柚守君……!」