キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 今更ただの風邪にかかった、とは考えにくかった。

 病は気からって言うし、このところずっと悩んでいたからそのせいかもしれないけど。

 葉っぱが無数に浮いている池を、何を思う事もなくぼーっと見つめる。

「っ、わっ……。」

 そのぼんやりに入ってきたのは、不意に鳴り響いた着信音だった。

 スクールバッグのほうに入れてたからすぐに取り出せなくて、一度は切れた着信。

 けど同じ人物からもう一度かかってきて、今度こそ応答した。

《おい! 何ですぐ出ないんや!!》

「ご、ごめんねっ。スマホ取り出すのにちょーっと手間取っちゃってて……。」

《スマホくらいポケットに入れとけや!》

「うっ……その通りでございます。」

 威勢のよすぎる声の持ち主は、最近めっきり連絡が来なかった来歌君。

 結凛ちゃんと上手くいったのかな……と、私は勝手に解釈していたけれど。

 今の来歌君の慌てようを見るに、その線はないかなぁ……って。

《……まぁええ。今からあんたの家行くさかい、俺の話聞けーよ!》