無理に仲良くするものでもないと思うから、私から強くは言えないけども……それでも、考えちゃうなぁって。

「ほら夜優、ぼけーっとしない。次、行かなきゃでしょ。」

「あっ、そうだった!」

 そろそろ今行われている試合が終わりそうで、慌てながら腰を上げる。

 そのまま集合場所に行こうと、先生のところまで走っていく。

 ……つもりだったけど、突然がくっと膝の力が抜けるような感覚に陥った。

「夜優? どった?」

「……な、なんか今膝の力が抜けた気がして……」

「え、それ大丈夫? 試合休む?」

「ううん、そこまでは平気だと思うっ。寝不足かなぁ。」

 急に力が抜けるなんて怖いけど、瞬間的なものだったし今は大丈夫だ。

 那奈に心配かけないよう笑顔を作り、今度こそ集合場所まで向かう。

 幸い、試合中に力が抜けるような事は起きずに無事プレーできた。

 やっぱり一時的なもの、だよね。別に気にする事でもなさそう。

 どうして膝なのかが少し気になったけど、今は治っているし……大丈夫だよね。