「……あんたみたいなぽっと出の奴に、夜優を守れるんか?」

「え? 笑わせないでよ。こっちからしたら、君のほうがぽっと出なんだけど。安心してよ、夜優のことは俺が全部知ってるから。」

 え、え……?

 仲良くなれるんじゃないかと思っていた私の気持ちは、どうやら叶わないみたい。

 バチバチと私を挟んで火花を散らせる二人に、ハラハラが加速する。

 というか、これって私の取り合いしてる……? 何で?

 二人の言葉から察するに間違いはないだろうけど、深く考えたら気が遠くなりそう。

「ふ、二人とも……?」

「どうしたの?」

「夜優、どした?」

 喧嘩するほど仲がいいってことわざは聞いた事があるから、今は仲が悪くてもこれから良くなる事を願おう。

 だけど今は、もう授業始まっちゃうし……。

「と、とりあえず席着こ?」