キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 あ、アイドルみたいだ……。

 安直な感想がふわりと脳裏に浮かんできて、やっぱりどう反応すればいいのか困ってしまう。

「白鳥、お前あっちとあっちの席でどっちがいい?」

「……すみません。俺、あまり目が良くなくて。前のほうの席にしてもらう事ってできますか?」

 そんな時聞こえたのは、先生と柚守君の話し声。

 あれ? 柚守君って視力どっちもAじゃなかったっけ?

 目は良いほうだって聞いてたし、ストレスとかで視力落ちちゃったとかかな……?

 そう不思議がっていると、私の斜め前の席の男の子が凄い勢いで席を立ったのが分かった。

「じゃ、じゃあ白鳥俺の席使えよ! 俺、目良いし後ろの席のほうが良かったんだよなぁ~……。」

「いいの?」

「おうっ! ……これでやっと明暮のなんかすげー怖いオーラから離れられるわ。」

 前の席という事もあって、先生と仲のいい野々村君。明るくて男女問わず人気の、いつも笑顔なムードメーカーなんだけど……。

 なんだか笑顔、妙に引きつってるような……?

 愛想笑いってわけじゃないけど、今の野々村君は作り笑顔のようなものを貼り付けている。