キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 でもとりあえず気持ちを切り替えて、パラパラと資料に目を通す。

 うーん……パッと見レイアウトはこれで良さそうだけど、この文章気になるなぁ。

 ちょっぴり引っかかる表現を付箋を使って言い換え、ペタッと貼りつける。

 それを何回かした後、那奈に終わったよって意味を込めて資料を返した。

 推敲した資料をざっと読んだ那奈は、ゆっくり顔を上げるとこう口にした。

「……夜優、あんたやっぱり文芸部に入ったほうが良かったんじゃないの?」

「えー、そう? そんな語彙力ないよ、私。」

「いや、あるでしょ普通に。夜優が書いてくれてる言い換えのほうがしっくりくるし、今からでも転部してきな?」

「それが副部長に言う事ですか。」

 さらっとそんな事言わないでよ、那奈……。

 私の現代文の悲惨な成績を知ってるはずなのに、何故勧めてくるんだ。

 ……それに転部したら、那奈と一緒に部活できなくなるし。

 知り合いがほとんどいないこの高校で、いざという時に頼れるのは那奈のみ。一緒にいる事に越した事はないのだ。