だから、罰が当たったのかもしれない。

 今日までの16年間、品行方正に生真面目に生きてきたつもりだった。

 そこそこの良い成績で、そこそこ褒められ、何気ない日々を送っていたつもりだった。

 ……それなのに。

「おい!! いい加減日明の奴の弱点吐けやぁっ!!」

「……あの、私もそもそも知らないんですが――」

「嘘吐くな!! お前が日明の奴といたって証言した奴がいるんだよ!! さっさと言え!!」

「えぇ……。」

 私は何故、何があって面識のない男性に拉致されているんでしょうか……。

 何もしてないはずなのに、本当に日明の人のことなんか知らないのに!

 何度そう伝えてもダメらしく、がっくり項垂れてしまう。

 ……言い分くらい聞いてくれてもいいじゃん。

 私の話を聞こうとせず決めつけ、こんな薄暗い倉庫みたいなところに拉致してきた男性。

 どうやら複数犯らしく、しきりにスマホで誰かと連絡を取っている様子が確認できる。

 い、今の内かな……?

 男性が通話で気を取られている隙に、なんとか縛っているロープを外そうとする。