キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

「やった。」

 子供のように笑う柚守君に、よかったんだろうか……という後悔が生まれる。

 ま、まぁ柚守君だからいい、のか……?

 本人がいいって言ってるから、そもそも私からは強く言えないんだけども……。

 うーん、うーんと悶々と考えに耽る。

 それを柚守君は、私を後ろから抱きしめる事で遮ってきた。

「柚守君、何して――」

「夜優、やな事思い出させるかもだけど……何があったの?」

「っ……。」

 何にもないよ、は通じない。

 柚守君はもう目の当たりにしてしまっているから、ここで言い逃れようとすれば余計に心配かけるかもしれない。もうすでにかけてしまっているかもしれないけど。

 でも、『ストーカー被害に遭ってたんだよ。』なんて言ったら被害者アピールしてるみたいでなんか嫌だ……。

 結果一番良い方法は、こう言ってしまう事だろう。

「……と、トラブル起こしちゃった……って感じ、だよ?」

 そう、あれはただのトラブル。クラスメイトとのトラブルだ。

 直接的な表現を避けたら、大きな括りになっちゃうこの言葉を選ぶのが無難だと私は考えている。