那奈には部活を休むと連絡を入れておいてから、柚守君と帰路につく。

 柚守君とこうやって帰るのは久しぶりで、懐かしい気分からふふっと笑みが零れた。

「何で笑ってるの?」

「えっとね、柚守君と帰るのって本当に久しぶりだから嬉しくって。かれこれ半年ぶりだから、懐かしくなっちゃった。」

「そうだね。俺も、夜優と帰れるの凄く嬉しい。」

 ふにゃりと微笑んだ柚守君は、夕日に照らされながら私を見つめる。

 ……ん?

 その時に少しだけ違和感を覚えた。

 柚守君……やっぱりちょっと大人びてる?

 笑った顔がやけに色っぽくて絵になっていて、夕方特有の雰囲気も合わさって柚守君が柚守君じゃないように見えた。

 特に綺麗なオレンジがかった瞳が、深い色に落とされて……まるで――。

 何かをロックオンしているような……だからだろうか、一瞬だけぞっとした。

 な、なんて……気のせい気のせいっ。ぞっとするなんて柚守君に失礼だし、きっと考えすぎなんだ。ストーカーの事もあったばかりだから、緊張してるだけ。