こんなところで気絶したままじゃ、事件疑われそうだけど……。

 なんて思って柚守君に聞いてみたけど、どうでもいいと言うようにばっさり言ってのけた。

 ……でも、柚守君は柚守君だ。変わってない。

 優しくて面倒見がよくて、お兄ちゃんみたいな私のいとこ。

『その男の名前は?』

『その明暮って男にも気を付けなよ。いつ襲われるか、分かったもんじゃないから。』

 だからこの前の柚守君は、きっと私の考えすぎなんだ。

 柚守君が冷たくて怖いなんて、想像つかないもんね……。