キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 これじゃあまた捕まっちゃうのに……っ。

 震える足が、酷くなっていく。やっぱり、私一人じゃ無理だったんだ。

 自己嫌悪に陥っている場合じゃないのに、自分がいかに馬鹿だったかを痛感する。

 もう、大声を出して助けを求めるしか――。

 誰でも良いから、助けて……っ。

「だ、誰かっ……!」

「お前、何してんの?」

 ――ゴンッ

 心臓がはやる嫌な音と同時に聞こえた声は、どこかで聞いたような懐かしい声だった。

 間髪入れずに耳を塞ぎたくなるような、痛々しい声が聞こえて反射的に目を瞑る。

 けど、何が起こって……?

「夜優、もう大丈夫だよ。」

「……っ、え?」

 以前からよく聞いていた、爽やかで包容力があるようなこの声。

 私が間違えるはずない、久しい声だ。

「ゆ、柚守君……?」

「うん、柚守だよ。」

 パチパチ、瞬きがやまない。だってどう考えたって、おかしい……。

 驚いて声も出ない私の視界にいるのは、ここで会うはずない――白鳥柚守君、だったから。

 どうして、柚守君が学校に……?

 服は軽く着合わせたようなシャツとスラックスで、ここの制服とはデザインが違う。