キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 私の抵抗なんてものとしていないようで、未知の愛を含んだ声色がダイレクトに届く。

 ストーカーの正体って、まさかクラスメイト……!?

 顔が見えないから確かな事は分からないけど、口ぶりがそうだと物語っている。

 しかも、どうして聖来君の名前が……。

 そこまで考えて、ふっと思い出した。

《あ、もしかしていつも夜優ちゃんの近くにいる男が原因かなぁ? それなら安心してね、僕がちゃーんと始末してあげるから♡》

 この前の、恐ろしいほどに言葉が綴られていた紙切れにはそう書いてあった。

 もしかして、なんて考えたくない。

 でも……――っ!

「せ、聖来君に何したの……!?」

 隙を突いて、体育で習った空手術をお見舞いする。

 こんなところで役に立つとは全く想定していなかったけど、とりあえず振り切る事はできた。

 落ちていた自分のスクールバッグを盾にしつつ距離を取って、また拘束されないように立ち回ってから質問を投げる。

 改めて見たストーカーの正体はやっぱりクラスメイトで、普段は目立たないタイプの長寺君。