キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 ――え……?

「ん、んむっ……!!」

 まただ、私は悠長にしすぎた。

 いつから背後にいたのかは分からないけど、耳元でねっとりした纏わりつくような声と言葉を当てられる。

 反射的にゾクッとせずにいられなくて、距離を取ろうと抗う。

 でも、無理そうだ。

 声からして相手は男の子。言葉を浴びせられたのと同時に拘束されて、逃げる事がままならない。

 っ、どうしよう……。

「んん、んむーっ!」

「夜優ちゃ~ん暴れないでね。それ以上暴れたら痛い事しちゃうよ?」

「……っ。」

 背後から、目の前にはさみを突きつけられる。刃が鋭そうで、大きくて。

 刃物を見せられたら抗う気力なんて消え失せてしまう。抗いたいのに、ちゃんと抗えない。

 誰か、誰か来て……っ。

「僕ね~、夜優ちゃんのことずーっと見てたんだ。夜優ちゃんは誰にでも優しくて、僕みたいな陰キャにも話しかけてくれたよね? その時からずっと好きで……でも夜優ちゃんの近くには、明暮君がいるでしょ? 噂なんだけど、明暮君は喧嘩強いらしいから夜優ちゃんに直接会っちゃえばいいかなって思ってこんな事しちゃった。ごめんね~?」