キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 うぅっ、仕方ない部活行こう……。

 あんまり遅い時間まで部室行かないと那奈に怪しまれるだろうし、重くなった足取りで蛍光灯の光が強い廊下を歩く。

 運動部の生徒はグラウンドか体育館、文化部はどこかの教室で活動しているから人気はない。

 ……なのに。

「っ!?」

 身の毛がよだつ思いだ。誰かの視線を、ちゃんと感じた。

 背後に感じた妙な人気。急いで振り返るけど、そこには誰もいない。

 き、気のせい……だったのかな。

 少し戻って、柱の裏や近くの教室を覗くけど当然誰の姿もなくて。

 ずっとストーカーの事を考えていたから、変に敏感になっているのかもしれない……って。

 それか疲れてるのかも……。今日はもう帰って寝よう、かな……はぁ。

 思い返してみれば、ここ最近は寝不足が続いていた。それもこれも、ストーカーのせいで。

 精神と共に体力も削られていたみたいで、また眩暈が苛んでくる。

 こんなところで倒れるわけにはいかないから、気をしっかり持って深呼吸を一つ。

「……――やっと二人きりになれたね。」