キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 まだ力は入りそうもないし、さっきの文字が頭から全然離れない。

 だけど聖来君に心配と迷惑をかけるわけにはいかないから、引きつる口角で不自然に笑う。

 自分は大丈夫だって自己暗示するようにも、自分を戒める為にも笑ってみせた。

「夜優……――嘘吐くの、やめーや。」

「うそ……なんて、吐いてないよっ……。何言って……」

「無理に笑わんでええ。しんどかったら吐き出し。全部受け止めてやるから。」

 なん、で……。

 何で、何で、何で……っ、聖来君は――。

「はな、して……」

「嫌や。自分で気付いてへんかもしれんけど、顔真っ青やし手も震えとるで。そんな状態で離せるわけなんてないやろ。」

「や、やだ……っ。」

「何が嫌? 言ってみ。」

 ぐっと顔を覗き込まれて、頬に触れられる。相変わらず聖来君の手は、全部包み込むようなあったかさがある。

 何度拒否しても、否定しても、聖来君は土足で入ってくる。遠慮なしに尋ねてくる。

 そんなのしてほしくないって思ってるはずなのに、本気で嫌じゃない。本気で拒否したいわけじゃ、ない。