キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 すると秒で既読がつき、ありがとうスタンプが押された。

 那奈、本当に偏頭痛なのかなぁ。

 疑うのは良くないんだけど、こんなにすぐメッセージを見てるって……スマホを常時見てるとしか思えない。

 ……って、ぼーっとしてる場合じゃないんだった!

 もう家出なきゃ学校遅刻する……!

 バタン!と勢いよく玄関扉を閉めて、足がもつれそうになりながらも階段を駆け下りる。

 マンションのエントランスを出たと同時に自動車が目の前を通り、道に気を付けながら歩道へと渡る。

 その瞬間、近くの公園に続く茂みが……不自然に動いたような気がした。

 きっと風か何かだと思うから、気にしなくてもいっか。



 ……なんて、悠長に考えていたのが良くなかったんだろう。

 次の日も、その次の日も私の周りで不自然な事が起きていた。

 最初は気のせいとか考えすぎとかで結論付けられていたんだけど、日を追うごとに悪化していってるような気がしてならない。

 どこからか謎の視線を感じる事が増えたし、学校の下駄箱にやけに達筆な字で《いつも見てるよ♡》というよく分かりたくもない紙が置いてあったり、おかしいほどにいつの間にか私物がなくなっていたり。