キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 普段“獣”って言葉自体を聞かないから、突然言われてもピンと来ない。

 するとそんな私を見かねたのか、柚守君が優しい声のまま教えてくれた。

《ちゃーんと聞いといてね、夜優。》

「う、うんっ! ちゃんと聞きます!」

 元気よく柚守君に返事して、あっちには見えてもいないのに頷く。

 その後、柚守君はぼそっと《いい子だね。》と呟いてから説明してくれた。

《大抵の男はね、わるーい考えで頭がいっぱいなんだよ。》

「え、そうなの……?」

《全員がそうってわけじゃないと思うけど、大体はね。男は普段から煩悩にまみれてるんだよ。》

「ほ、ほう……。」

 煩悩、って何だっけ。

 そんな疑問が浮かんだけど、説明してもらってる分際で遮るのは良くない気がする。

 だから後で調べるとして、今はスルーする事に。

《獣は、自分のことばかり考えるでしょ? 周りが見えなくなった男はそれと同じで、自身の欲望の為だけに立ち回るんだ。そう聞くと怖くない?》

「ちょ、ちょっぴり怖い……かも。」

《夜優、“ちょっぴり”じゃなくて“すっごく”って思って。男は夜優が思ってるよりもずっと、恐ろしい存在なんだからね。》