キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 せやけど、頭の中は可愛い可愛い夜優のことでいっぱいで。

「……あー、どんだけ惚れてんねん俺。」

 その日の仕事は結局、一つも手につかんかった。



 俺が夜優に惚れたんは、高2の新学期が始まってすぐの事やった。

 理由なんて他人が聞いたらしょうもなくて、それだけで好きになるんか?なんて聞かれそうな話。

 きっかけは、性懲りもなく夜優が毎日挨拶してきた事。

『おはようっ、明暮君!』

『……。』

 人と関わらんとき、と言われ続けていた俺は話しかけられても無視を決め込んでいた。

 そうすれば誰とも関わらへん、誰も日明財閥のごたごたに巻き込まれへん。そう信じて疑わんかったから。

 まぁおかげで変な噂ついたし、“一匹狼”なんて大層な事言われ始めたけど。

 それでも夜優だけは噂なんて気にしていないという風に、飽きる事なく声をかけ続けてきた。

 やからしゃーなしに同じのを返した日、夜優はこれでもかっていうくらいの笑顔を咲かせた。

 ぱぁっと、それこそ花が咲くような眩しい笑顔。